「つまさき」をもう一度お客さんと一緒に観て、それからのトーク。

短い時間に映画と加瀬仁美監督の魅力を伝えられたかどうか…なんて、そんな大それたこと私のトークくらいでできるはずもなく。

そもそも既に映画を観た方との時間だから、ただ観賞後の空気を共有できればそれでよかったのかな。

何より、理屈や説明より、やっぱり作品を観てもらうことが一番だから。

それにしても、空気で語らせる彼女の脚本が私は好き。

この後に斎藤久志監督と脚本が加瀬さんというチームで作られた「スーパーローテーション」と「なにもこわいことはない」

実は昨日はその2つも観ることができるラッキーな日で、私はその2つを観て帰りたいと思った。

「スーパーローテーション」は以前、一度観ていたのでもう一度見直した感じ。

日本映画学校(現在は日本映画大学)卒業制作の作品として作られたもので色々と縛りがあったり試行錯誤もあったようだけれど、劇場公開された映画学校卒業制作作品第一号だったそうです。

なんとも身近に感じる若者たちの姿が、切なく愛おしい作品です。

「なにもこわいことはない」は初めて見させていただいて…すごく好きだな。

日常によくありそうなことなのに、押し付けがましくない、ナチュラルで暖かくジーンとくる見せ方が素敵。

2時間近くあって音楽もそんなに鳴っていないのに、会話と会話の間に流れる空気が、感情が会話をしているから、それを観ているだけで動かされる。

映し出す映像も美しくて、切り取りたい瞬間がいくつもあった。

「つまさき」は全てのスタート地点で、言いたいことがいっぱいあったという加瀬仁美監督が、暖めて暖めて時間をいっぱいかけて作り発表した作品。

そして「スーパーローテーション」、「なにもこわいことはない」。作品と共に挑戦し成長していく彼女の長い年月を観させていただいた様な一日でした。

これからも素敵な作品を書いて撮って欲しいと思います。

興味ある方は是非、彼女のスタート地点「つまさき」をご覧になってみてください。

新宿K’s cinemaで4月6日まで上映しています。

つまさき